数秒の間があって、先生は天井を見上げながら口を開けた。



「工藤くん」

「はい」



そのまま会話は途切れた。

いや、これは会話ではない。

先生の呼びかけに私が答えただけだ。



「工藤くん」と先生はさっきと同じ調子で私の名前を口にした。

「はい」と私もさっきと同じ調子で答えた。


「分らんなぁ、君の考えていることが」


視線を私に移していった。先生の目は私に答えを求めている。