それでも俺はやっぱり綾野中学を卒業したいし、
由伸や流嘉、一緒に三年間過ごしたクラスメートとも離れたくない。


そして縦浜で甲子園を目指すんだ、流嘉と一緒に。

俺は階段を駆け上がり隼飛の部屋の前で止まる。


『隼飛!』

「うぉっ!何だよ、今受験勉強してんだけど。」

『何処に受けるつもりだよ。』

「〇〇大学。大阪じゃあ有名だぞ。」

『隼飛はいいのかよ、高校の友達と離れて。』

「俺だって嫌だよ。めちゃくちゃ嫌。でも、現実はうまくいかないんだよ。」

キィッと音をたてて勉強机の椅子をドアの方に向け、こちらを見る。


久々に眼鏡をかけてる隼飛を見た。



そんなに真剣になるまで受けんのか?