「我ら人鬼は十の種類に分けることができる」
ポツリと淋が言う。
――10?
…なんか多いな。
「まず、黒鬼(こっき)」
空木が「黒い鬼って書いてコッキ、な」と俺に耳打ちした。
「彼らは命を操る鬼」
――うわ、漢字習っといてよかったー
「二つ目は白鬼(びゃっき)」
これは空木に言われなくても分かった。
「彼らは言葉と水を操る」
淋が進みながら俺に教える。
「三つ目は紅鬼(こうき)」
さっきと同様、淋が言い、空木が「クレナイの鬼、な」と耳打ちする。
「彼らは炎を操る鬼」
――遭難しても大丈夫だね、火があるから!
「三つ目は碧鬼(へき)」
空木がしゃがんで字を書く。
難しそうな漢字だった。
「彼らは風を操る」
――……台風がきたら真っ先に疑われるかもしれn
すんません、黙ります。
「今言った四つは十ある中で、一番格上の鬼だ」
淋は一息ついて、そう言った。