「もしもし、夏川です。」
「あなた、FUYUKIさんとは、なにもないわよね?」
社長がイライラしているのが、声でわかる。
「当たり前ですよ。なにもありません。勝手に騒いでいるだけです。」
「わかったわ。今回ことは、FUYUKIとのことはなにもないと発表をしておくわ。あなたは、ノーコメントを通してちょうだい。」
「わかりました。」
私は、その日は家から出ることができなかった。
でも、私の事務所も、FUYUKIさんの事務所も迅速な対応をしてくれたので、私とFUYUKIさんの結婚説や妊娠説はなくなった。
今の世間の話題は、『新島芽瑠、FUYUKIと交際発覚 超大物カップル誕生』ということで持ちきりだ。
私の報道のせいで、FUYUKIさんと芽瑠に迷惑をかけてしまったが、2人とも、「いつかばれるから、いいよ」と言ってくれた。
しかし、私の無期限休養については、まだ真実を突き止めようとする人がたくさんいた。
色々な説が騒がれているが、私はノーコメントを貫いた。