今回の撮影場所は海外だった。
だから、2カ月くらい家に帰ってなかった。
私は、頑張って早めに撮影を終わらせて、すぐに病院へと向かった。
しかし、病院についたのは連絡を受けて、3日後だった。
そこには痩せ細ったお姉ちゃんがいた。
まるで別人のようだった。
動揺が隠せない。
「杏子、ごめんね。大事なドラマの撮影なのに……。わざわざ来てもらって。」
お姉ちゃんが無理に笑いながら、私のことを心配してくれた。
いつも私に見せてくれる優しい笑顔が弱々しかった。
そのあと、お姉ちゃんと話して、私とお父さんとお母さんで検査結果を聞いた。
検査結果は、『白血病』だった。
しかも、かなり進行しているらしい。
そして、余命は1年くらいだと言われた。
助かる方法は、脊髄の移植しかない。
お父さんとお母さんは、お姉ちゃんと型が一致しないらしい。
肉親で型がわからないのは私だけだった。
型が一致するば、すぐに移植することができる。