そして、テレビでも《『真夜中の汽車』野々宮梨沙役はいったい何者だ。》
なんていう特集もやっているのを見た。
なんで私の特集がやっているのか、とにかく不思議で仕方なかった。
「世間から認められるようになった。」とお姉ちゃんは言ってくれた。
それから、私は仕事をたくさんした。
毎日、勉強と女優の両立は大変だったけれど頑張った。
だんだん有名になると『天才女優』と呼ばれるようになっていた。
私は『天才女優』という響きは好きではなかった。
でも、たくさんの人から認めてもらえるのは、嬉しかった。
毎日忙しいけど、充実した日々を送っていた。
しかし、私が16歳の秋のことだった。
ドラマの撮影の休憩中に、携帯を見てみると、お母さんとお父さんから不在着信とメールがたくさん来ていた。
メールの内容は、
――――結子が倒れた。撮影が終わったら、すぐに○×総合病院に来なさい。
というものだった。