『真夜中の汽車』は豪華キャストでストーリーが面白くて、大ヒットした。
学校では、みんな私が出演したことを知らなかったので、みんなとってもびっくりしていた。
「杏子ちゃん、凄いね。女優だったなんて、びっくりした。」など言われた。
私は中高一貫の私立女子中学に通っているのだが、わざわざ、高等部から私の顔を見に来る人たちもいた。
お姉ちゃんは、同じ学校の高等部の1年生なのだが、質問詰めだったらしかった。
その話をきいて、お姉ちゃんに謝ると、
「私のせいで迷惑かけてごめんね」
「迷惑じゃないよ。杏の自慢ができて嬉しい♪」
優しい笑顔で、誇らしげき言ってくれた。
私は、何よりもお姉ちゃんの笑顔を見られて嬉しかった。
映画が公開されて、なにより一番変わったのは、仕事のオファーの数だった。
『真夜中の汽車』のあと、仕事はなくて、普通の女子中学生だった。
でも、映画が公開されたとたんに私のもとにたくさん仕事が舞い込んできたらしい。
社長は喜びながらも、パンクしていた。
ちなみに、事務所に所属していなかった私は、あてがなかったので芽瑠に紹介してもらった。
一応、マネージャーさんもいるらしい……。