「みなさん、結果発表を行いますので、会場へお願いします。」



係りの人が呼びにきた。



私は、御守りを握り締めながら向かった。



会場には、だれもいなかった。


私たちはエントリー番号順に椅子に座った。



今回の最終選考には、私以外は芸能界でもう活躍している子たちだった。



特に隣に座っている、新島芽瑠(ニイジマメル)ちゃんは、15歳で人気アイドルグループの中心メンバーで、ドラマにも多数出演している。



最有力候補といわれている。



5分後くらいに、監督たちがやって来た。



監督から直々に発表される。



「今回のは満場一致に決まったの演技力はずば抜けていた。そして、誰よりも野々宮梨沙役にふさわしいと思った。」


『満場一致』と言った瞬間、新島芽瑠さんや他の候補の人々は、小さくガッツポーズをしていた。



監督からの言葉が終わり、主演の女優にバトンタッチされた。



「では、発表します。野々宮梨沙役はエントリーNo.3 夏川杏子さんです。」



私の名前が呼ばれた。