周りの人々からは、「かわったね」とか「可愛くなったね」と言われた。
中でも1番褒めてくれたのは、お姉ちゃんだった。
「杏子、凄い可愛くなったね。びっくりしちゃった。さすが私の妹だね。なんか杏子がテレビで活躍するのが、もっと想像できるようになってきた。」
まるで自分のことのように嬉しがってくれた。
それから、中学生になる1カ月前に好きな脚本家さんの映画が撮影されることが発表された。
そして、主人公の妹役をオーディションにすることがわかった。
お姉ちゃんと相談して、そのオーディションに応募することにした。
私がオーディションを応募しようかなと迷っている時だって、お姉ちゃんが「杏子だったら、できるよ」と背中を押されて応募することを決めた。
1カ月後、書類選考の結果が届いた。
お姉ちゃんと一緒に封筒を開けた。
結果は《合格》だった。
私たちは一緒に喜んだ。
お姉ちゃんは涙を流してくれた。
それから、自己アピールや演技の審査があり、なんとか最終選考の5人まで残ることができた。