「あの、」



「へ?」



いつの間にか凝視していたらしい。キョトンとする俺からパッと目を逸らした先生の顔がほのかに赤い。



「先生?」



「っ!」



明らかに動揺する先生を不思議に思いながら右手に持っていたグレープフルーツをボールのようにポーン、ポーンと軽く上げた俺は、目を泳がせる先生を見つめながら小首を傾げた。