「お兄ちゃ・・・!・・・すけが死んじゃ・・・!」
「おい、大丈夫か?」
「ひゃっ。」
 おでこが冷たい。
 ・・・って人?
 目を開けるとそこにいたのは・・・
「きゃああああああ」
 赤髪の男がいた。
「ウザイ。」
 そう言ったのは、銀髪の男。
「あー。叫んじゃダメだよ。怖いおにいさんに襲われちゃうよ?」
「だ、だれ?」
 赤髪に聞いてみる。
「俺は秋。園田秋。よろしくね。」
 ・・・沈黙・・・?
「お前は何者だ?」
「・・・」
 青髪は答えない。
「もしかして龍に言ってる?」
「はい、そうでございます。」
「君、おもしろいね。名前は?」
 会話がかみ合ってない...
 まあ、いっか。
「私は・・・「美那・・・?」
 私が言う前に私の名前を言ったのは・・・
「蓮!」
 蓮は、私の弟で、数年前に離婚した両親の母のほうに引き取られていた。
 私たちは、数秒抱き合っていたが、
「おい、そいつは蓮の女か?」
 という銀髪の声で慌てて離れた。
「違いますよ、龍さん。美那はオレの姉貴です。」
「ねえ、蓮、この人・・・誰?」
「ああ。この人はチームのトップだ。」
 トップ・・・
「美那ちゃん、BRACKROSEっていう族知ってる?」
 知ってるも何も、BRACKROSEは私の兄貴も仕切っていた族だ。
 でもそのことはこの人たちには話したくない・・・
 それは蓮も同じのようで、私に視線を向けた。
 そっか。蓮は、兄貴に憧れてBRACKROSEに入ったのかな・・・
「そこのトップが九条龍翔、龍なんだ。BRACKROSEは、系列も合わせて、だいたい2000人ぐらいいるんだ。」
「系列って何?」
「そこらへんは、おって説明するね。」
 あ、説明してくれないんだ・・・
「それで、BRACKROSEの幹部が、僕と蓮、そしてあと1人なんだけど・・・分かった?」
 何となく、分かった・・・のかな?
「秋~。質問!何で美那はここにいんだ?」
「あー、それはね...単刀直入に聞いてもいい?それとも事情を説明してからのほうがいい?」
 ここは・・・
「事情を・・・」
「フッ」
 銀髪野郎!笑いやがった!
 しかも鼻で・・・
「まず、龍がバイクでここに向かってて、信号で止まってたんだ。その間、僕たちは電話で話してて、美那ちゃんに気付かずそのまま龍がバイクを発進させた。そしたら目の前に美那ちゃんが倒れてて、ひいてはいないんだけど、周りは龍がひいたと思ってて、それがバレるとまずいから、龍がここに連れてきたんだ。」
 ・・・だから、私の目の前にあの人はいなかったんだ。
「お前、死にたかったのか?」
「美那、何でだよ!まさかまだ「蓮、やめて!」
 これ以上、彼を誰にもけなさせない。
「そうだよ。何で邪魔したのよ!!私は・・・」
 私は、彼の元に行きたかった。
「おい、言え。なんか背負ってんだろ、お前・・・。」
「銀髪・・・、なっ、何でこんな時だけ、しゃっ、しゃべるんだよぉ・・・ヒック。」
 私は泣き出してしまった。
「フッ。まあいい。そのうち話させてやる。」
 私は、話すことはないよ思っていた。
 でも、ちょっと期待していたのかもしれない。
 この人たちが、私の何かを変えてくれるんじゃないかって....