《ピーーッ!!》 試合開始のホイッスルはいつも同様、 会場全体まで響き渡っていた。 ジャンプボールを待つ間、あたしは 同じようにジャンプボールを待つ ラルの華奢な後ろ姿を見ていた。 けど、試合開始と同時に その華奢な背中は 素早く動き、あたし自身、試合が 始まったということを知らされた。 中学最後になるであろう、 あたし達の、 最後の最後の試合が始まったと。 あたしはラルの後ろ姿で 気づかされたのだ。