「……………ラル…っ…。」

気づいて。

気づいてほしい。

俺の存在が、君の中に在って欲しい。


「………ラル……っ…!」

ラルを抱き締める力が強くなる。


「…………ぃ…?」

……………?


「……サ、クト…先、輩…?」

呼んだ。

呼んで…くれた。


「…ラル…、ラル…っ。」

名前を呼んでもらえた。

ただそれだけなのに、馬鹿みたいに安心して。


ラルの中に、俺の存在が在ったということが

馬鹿みたいに嬉しくて。


ぎゅうぎゅうと、

俺はラルを強く抱き締めた。