「………。」

中は、当たり前だが真っ暗で、

何が何だかははっきり分からない状態。


「…………だ、れ…。」

暗闇から聞こえるその弱々しい声以外。


《コツッ…コツッ…》

ゆっくり。

ゆっくりと俺はラルに近づく。


そして、ベッドに座るラルに

手が届くまでの距離まで近づいた。


「………………ラ……ィ…?」


「………っ…!」

"ライ"。

ラルがその言葉を発した瞬間、

俺はラルを強く

自分の腕の中に閉じ込めた。


違う。

違うんだ。


―――俺は、"ライ"じゃない。