でもそこは長年の付き合い。


あたしにはわかっちゃうの。


ーー幼なじみの杉原大河。


あたしたちは生まれたときからのお向かいさんで、幼稚園•小学校そして中学校も一緒である。


もう、今日きょうだい同然で育ってきた。


「えぇー!? 一緒に行こうよぉ。」


「美桜… 時間はいいのかよ。8時に間に合わねぇぞ」


大河にそう言われて、玄関にある時計を見た。


時計の長針は“9”を差している。