―カランカラン


店に入ると可愛らしい音がした。



それにしてもなんて森ガールな感じのカフェなんだろう。





つくづくこれは夏稀の趣味にぴったりだなって思う。



「いらっしゃいませ何名様ですか?」



「3人だよ」


「でわ奥の席へどうぞ。」


「はーい」




やっぱお姉さんの店だと夏稀自由だな。





「ご注文は何にされますか?」




「えっと、あたしはアイスコーヒーで」



「じゃぁ夏稀はイチゴミルク。優愛はどうする?」




「じゃぁーあたしはカフェオレで」





「かしこまりました。しばらくおまちください」




注文をとっていった店員さんはこれまた美人さん。




っていうかこの店をみわたすと、そこらじゅうに美人店員さんが・・・・・。






もしかしてここは美人専門店なのか?ってくらい。




「おまたせいたしました。なにかございましたらおよびください。でわごゆっくり」






「ねぇ夏稀。ここの店ってどうしてこんに美人ばっかいんの?」



「あぁ~。それはおねえの趣味で」



「へぇ~。」



「あ~ら。夏稀あたしがどうしたって?」



「おねえ!」



「げっ」



「ちょっと莉緒げっってなによげって」





「いや~なんでもない。聞き間違えじゃない?」




「あら?そうかしら?まぁいいわ。あら?この子は?初めてみるけど」



「あ~っ。初めてだっけ?このこはね、新村優愛だよ。かわいいでしょ」



「へえ~。新村優愛ちゃんね。じゃぁ優愛って呼ばせてもらうわ。あたしは小野寺朱音。」





「あっ。よろしくおねがいします」



「よろしく。夏稀でかした!」




「でしょ!あとでなんかおごってね」



「もちろん!」



「あの。どういうことでしょうか?」



りっちゃんまでもが顔をぽかんとさせている。




「りっちゃんはバイトしてなかったわよね?優愛はバイトしてる?」




「いえ。してませんけど」



「じゃぁ決まり!3人であしたからバイトしてくれない?」




「「はっ!?」」



見事にハモリました。りっちゃんと意気投合しました。





「つまり、バイトの依頼。あたしの店はここのほかにあと2つあってね。今ちょっと人手不足なのよ」




「はぁ・・」



「でね。3つあるからちょうど三人であたしの店を手伝ってほしいなって思って夏稀に相談したの」





「あはっ。おねえのたのみなら断れないから」





「じゃぁ、夏稀はとりあえずこの店を手伝うとして。莉緒は男前美人だから“カフェソノリエ”をお願いするわ。優愛は彼氏いる?」




「いませんけど」




「あら。かわいいのにもったいない。じゃぁ優愛は“カフェモンサノール”をお願いするわ」




「ちょっと朱音さん。勝手に決められても」





「なぁに?莉緒。不満でも?」




「・・・・・いえ。ありません」




朱音さんの不のオーラをかもし出したスマイル。すごい。りっちゃんさえもだまらせた。






「じゃぁ明日からよろしく」




「はあ」




「じゃああたし仕事に戻るから。ごゆっくり~」




すごい。なんか小野寺家すごいぞ。




ひそかにそう思ってしまった。