カルサは彼を見つめたまま動こうとしない。
金の髪の男性は二人の姿を確認すると優しい笑顔で迎え入れた。
「雷神カルサ・トルナス、風神リュナ・ウィルサ。ようこそ、御剣の総本山へ。」
リュナは視線を目の前の男性に向けたまま、さらにカルサに寄り添った。
無意識に服を掴む。
「私の名は沙更陣(さざらじん)。王の側近を務めています。」
丁寧なお辞儀に、リュナは反射的に頭を下げた。
カルサは沙更陣と名乗る男を見たまま、やはり動くことなく行く末を見守る。
カルサがぴくりともしないことにリュナは気付き、上目遣いで様子を伺った。
王の側近なら地位の高い者ではないのか、しかしカルサは頭を下げようとはしない。
敬わなければいけないと言っていた筈なのにとリュナは疑問符を浮かべた。
「奥で王がお待ちです。案内しますので、どうぞこちらに。」
リュナの心配も空しく、カルサの振る舞いを気にしていない様子の沙更陣は背中を向けて奥へと歩きだした。
噴水が連なり、水が遊ぶ道を進んでいく。
金の髪の男性は二人の姿を確認すると優しい笑顔で迎え入れた。
「雷神カルサ・トルナス、風神リュナ・ウィルサ。ようこそ、御剣の総本山へ。」
リュナは視線を目の前の男性に向けたまま、さらにカルサに寄り添った。
無意識に服を掴む。
「私の名は沙更陣(さざらじん)。王の側近を務めています。」
丁寧なお辞儀に、リュナは反射的に頭を下げた。
カルサは沙更陣と名乗る男を見たまま、やはり動くことなく行く末を見守る。
カルサがぴくりともしないことにリュナは気付き、上目遣いで様子を伺った。
王の側近なら地位の高い者ではないのか、しかしカルサは頭を下げようとはしない。
敬わなければいけないと言っていた筈なのにとリュナは疑問符を浮かべた。
「奥で王がお待ちです。案内しますので、どうぞこちらに。」
リュナの心配も空しく、カルサの振る舞いを気にしていない様子の沙更陣は背中を向けて奥へと歩きだした。
噴水が連なり、水が遊ぶ道を進んでいく。