「大丈夫、カルサには俺から言っとくよ。何かあれば責任は俺に来るし。じゃあ、また緊急出動があったらそん時は宜しく!」

今度は勢いよく敬礼をしてニヤリとした不敵な笑みを浮かべた。

敬礼に反射的に反応して部下たちは言葉をよりも身体を動かし敬礼で貴未の後ろ姿を見送る。

「…行ってしまった。」

一人が呟く頃には貴未の背中はかなり離れた場所まで進んでいた。

「いいのか…?」

「…いいんじゃないか?貴未さんがああ言ってくれてるんだったら。」

「正直助かったけどな。」

貴未の読み通り、彼らの体力はもう残りわずかしかなかったのだ。

さっきまであった緊張が解かれて、彼らのペースでそれぞれの自室に向かい始める。

「しかし相変わらず慣れないよな。」

「何が?」

「陛下を呼び捨てに出来る貴未さん、あと聖隊長と紅さんもか。」

その言葉に全員が納得の声を漏らした。