「勿論です。」

「今更です。…っいて!」

千羅が答えた瞬間に彼の頭を叩く音が聞こえた。

千羅はチラリと隣の様子を伺うが彼女は軽く頭を下げたまま動く気配がない。

「…承知しました。」

目も合わせず、涼しい横顔を見せるだけの英琳の圧力に負けたらしい。

「いいコンビだ。」

「恐れ入ります。」

カルサの言葉に英琳は当然のような笑みを浮かべた。

つられてカルサも笑ってしまう。

大丈夫、それを再認識出来たような気がした。

目指すのは御劔の総本山。

複雑な気持ちを胸に秘めカルサは前に踏み出そうとしていた。

リュナにはいずれ伝えなくてはならない。

オフカルスの事も、これから起こる事も、複雑に絡み合った糸を作り出したカラクリについても。