誤魔化されたり隠されるのは好きではない。

もしそうしたいのなら巧くやれ、それがカルサの言い分だ。

なかなか答えないリュナにカルサの機嫌が悪くなっていく。

こうなっては仕方がない。

戸惑いながらもリュナは頬を薄紅色に染め、はにかみながら答えた。

「嬉しくて。」

そう言ったきりリュナははにかんだまま言葉を続けなかった。

その雰囲気から彼女の嬉しさが伝わってくる。

しかし何が嬉しいのかカルサは訳も分からずリュナを見ていた。

風神扱いをしたことがそんなに嬉しかったのか。

カルサの疑問符を浮かべたその視線に気付いたリュナは、恥ずかしそうに言葉を続けた。

「二人で出かけるのは…初めてじゃないですか。」

「あ?ああ。」

頷いたはいいが、まだリュナの言葉の意味にカルサは気付いていない。

だからなんだ、カルサの態度がそう言っている。

「なんか…デートみたいだな、と…思いまして。」