総本山へは御劔として行く、ということはつまり。

「二人で行く、ということですか?」

「そう言っただろう。」

当然の様に言われ、リュナはナルの部屋で聞いたことを思い返した。

風神と行く、それは風神と二人で行くという意味だったのだ。

各世界に一つずつ存在する界の扉、それを集約した界の扉の間に行き総本山へ入ることになるだろう。

おそらく日帰りではない。

そんな長い間ずっと二人で過ごすということは。

「えっ!?」

小さく叫んでリュナは両手を頬にあてた。

「どうかしたか?」

「いっいいえ!」

頬に手を当てたまま首を横に振り、懸命に真剣な表情を作った。

しかしリュナの様子がおかしいのは明白であり、カルサも顔をしかめて首を捻る。

「何だ?」

どう見たって何でもないと言えるような様子ではない。

何を考えているのかと厳しく問うようにカルサはリュナを見た。