凛々しい立ち姿、一切の隙もないその立ち姿に只者でないことを思わせる。

彼女もそれを隠すつもりは無いようだ。

今まで見せていた女官姿での彼女とは恰好こそ同じであれ雰囲気はまるで違う。

「私は幼き頃より衛兵としてリュナ様にお仕えしておりました。」

「衛兵?」

「風神がいきなり衛兵を連れて現れたら攻撃されるかもしれない。私はリュナ様の身を案じてこちらでは表だつ事は行ないませんでした。」

しかし何かあればすぐに対処できるように女官として傍に控えていたと彼女は続けた。

リュナが城に来る何年も前から城に入り女官としての信頼と地位を築き上げていったのだと言う。

「サルスはそれ知っとったんか?」

確かあの時、リュナ付の女官としてレプリカを連れてきたのはサルスだったということを紅は思い出したのだ。

「いや。フレイクの推薦だ。おそらく彼女も知らなかったんじゃないか?」

最後はレプリカに尋ねるように口にした。

女官長であるフレイクにはレプリカの過去は告げてはいない。

レプリカはサルスの言葉に肯定の意味を含めて微笑み頷いた。