ゆっくりと差し出された日向の手を力強く握ると貴未はぶんぶんと振り回した。

真直ぐ向けられる貴未の笑顔につられて日向もひきつりながらだが笑みを浮かべる。

「この二人は俺たちの大切な仲間なんだ。だから今…本当に嬉しい。」

ベッドに横たわる二人を見ながら貴未は昂る感情を抑えきれず涙声になった。

まだ僅かな時間しか共にしていないが日向には気付いた事がある。

千羅も瑛琳もそうだが、ここにいる人たちは大切な仲間という言葉を口にする。

それは感情が昂った時や当てはまる言葉が見つからない時にそう表現しているように思えた。

雰囲気で分かる。

誰もがカルサとリュナを大切に思っている。

二人の幸せを願っている。

おそらくこの二人は恋人なのだろうと日向は考えた。

光の神と風の神、そして突然に頭の中を支配した沢山の記憶の欠片は何を意味するのか。

この人たちは一体どんな人なんだろう。

当然のように生まれた疑問の答えを探す間もなく、日向に質問が投げかけられた。