「カルサ…っ。」

安心と嬉しさと緊張から解かれたのと、様々な感情が入り交じってどう表現していいか分からない。

ただ分かるのは大切な仲間を取り戻せたことだけ。

それが現実だと確かめるために千羅はカルサを抱きしめた。

千羅の気持ちはその場にいる者たちほとんどに伝わっている。

ラファルはカルサの許へ近付き、その大きな身体を擦り寄せた。

「ラファル。」

千羅は彼の頭を撫でて共にその感情を分かち合う。

「寝室へ運ぼう、リュナも一緒に。」

カルサを抱え千羅はリュナを抱える貴未に歩いていく。

皆が貴未に集まってきた。

貴未から離れないようにそれぞれが肩を掴み、全体が一つの固まりになった瞬間、景色はカルサの私室に変わっていたのだ。