「いっいいえ!そんなことはありません!陛下のお役に立てるよう全力で頑張ります!」

弱音を吐いた瞬間に突き放され、リュナは急いでカルサに弁解した。

「私はその為にここへ来たんです。」

これだけは譲れないと、カルサの方に身体を向き直して正面から訴えた。

「なら胸を張れ。」

今までナルの方にしか向けていなかった顔をリュナの方にカルサは向けた。

金色の瞳にまた自由を奪われる。

「風神と名乗ったからには簡単に弱音を吐くな。俺たちは権力の象徴なんだ、与える影響は大きいことを忘れたのか?」

「…いいえ。」

勿論忘れる訳がない。

リュナは高みにいるカルサを目指してここまで来たのだ。

しかし追い付くことだけを考えすぎて、自分の立場を分かっていなかったのも事実。

それは決して褒められることではなかった。

「あなたは私が守ります。」

カルサを超えることが目標ではない。