彼女が取る行動に対して何の抗議もしない。

されるがままになるほどサルスは疲れ、動けずにいるのだ。

「君がどういうつもりで…協力してくれているのか知らないが…ずっとこの日々が続くと止まらなくなる。」

「…なにが?」

暖かいタオルと、レプリカの手の温もりが安らぎを生み、心地よい眠気にサルスは包まれていた。

働かない頭と回らない口で彼女の問いに答える。

「君を愛してしまいそうだ…。」

サルスの言葉にレプリカの時間は止まった。

聞き間違いだろうか、いま彼は自分が何を言ったのか分かっているのだろうか。

「すまない…少し…眠ることにする…。」

そう言った数秒後には規則正しい寝息が聞こえてきた。

何か言おうとして開いたままの彼女の口が力なく閉じる。

ゆっくりとタオルを剥がしてみると、サルスはもう完璧に眠っていた。

再び暖かいお湯に浸してもう一度目に乗せてやる。

部屋の奥から毛布を運び、そっと鉛のように重たい身体にかけてやった。

深い眠りは彼を捕えて放さないらしい。