少し肩苦しい上着を脱ぎ捨て厚みのある大きなソファに腰を下ろした。
深い深いため息が静かな部屋に響き渡る。
そのまま身体を倒し、手で目を覆い隠して再び長いため息を吐いた。
このまま眠りたい、しかしその欲求が満たされることはなく、まもなく来客を知らせる音が聞こえてきた。
「陛下?紅です。」
境界線の向こう側から届いた声に鈍く頭が反応する。
大丈夫、彼女はこちら側だ。
そう頭の片隅で思った後、もう力の入らない掠れた声で入室の許可を出した。
その声を合図に紅はゆっくりと部屋の中に入っていく。
相変わらず手で目を覆ったまま、電池が切れた様にソファに横になっているカルサを見ていると不安が過った。
「サルス…顔色悪いで?ちょっとは休んだ方がええんとちゃうか?」
顔が全て見えるわけではないが体調の悪さは感じ取れ、紅は伺うように声をかける。
「今…休んでいる。」
「あんた、公務とカルサの番としとって寝てへんのやろ?」
紅のその言葉にサルスは何の反応も示さなかった。
深い深いため息が静かな部屋に響き渡る。
そのまま身体を倒し、手で目を覆い隠して再び長いため息を吐いた。
このまま眠りたい、しかしその欲求が満たされることはなく、まもなく来客を知らせる音が聞こえてきた。
「陛下?紅です。」
境界線の向こう側から届いた声に鈍く頭が反応する。
大丈夫、彼女はこちら側だ。
そう頭の片隅で思った後、もう力の入らない掠れた声で入室の許可を出した。
その声を合図に紅はゆっくりと部屋の中に入っていく。
相変わらず手で目を覆ったまま、電池が切れた様にソファに横になっているカルサを見ていると不安が過った。
「サルス…顔色悪いで?ちょっとは休んだ方がええんとちゃうか?」
顔が全て見えるわけではないが体調の悪さは感じ取れ、紅は伺うように声をかける。
「今…休んでいる。」
「あんた、公務とカルサの番としとって寝てへんのやろ?」
紅のその言葉にサルスは何の反応も示さなかった。