日向の手を取り、千羅はかたく握手をした。

千羅の手が熱い、それだけで心から喜んでいるのが分かる。

「瑛琳!」

「ええ。」

やわらかい風が止む事無く吹き続ける。

服を揺らす、草木を揺らす、水面を揺らす、髪を揺らす。

揺れないのは彼らの心だけだ。

リュナを抱えて千羅は立ち上がり、彼らはシードゥルサへ向かった。