「行って…すぐ帰ってこれるの?」

「分からない。次元が違うから時の流れも違う、実際あれから俺たちの世界でどれくらい経ってるのかも把握してないんだ。」

「…そっか。」

弱々しい納得の声を上げると日向は再び考えこんでしまった。

それを見た千羅は追い打ちをかけるように言葉を続ける。

「今生の別れになるかもしれない。だからこそ、決意が必要なんだ。」

千羅の言葉は深く重くのしかかった。

急にそんな事言われても困るに決まっている。

しかし彼らは待つつもりの態度を見せてくれている。

本当ならすぐにでも帰りたいところを待ってくれた。

もちろんリュナの事もあるだろうが、選択権を委ねてくれている。

どうしようか、日向の頭の中はそれでいっぱいだった。それでも。

「あの子は…もう動かしてもいいの?」

「ああ、瑛琳と俺が全力で守る。」

強い意志。彼らを仲間と最初に呼んだのは自分であると、日向は心の中で思った。