「頭がおかしいと思うか?」

信じられない、でも千羅の眼差しは相変わらず強く真剣だった。

その思いに疑う余地はない。

「俺たちは異世界から来た。もちろん、リュナも光の神もそこにいる。」

「異世界…。」

「異世界シードゥルサ、そこが俺たちの世界だ。」

突然の大きな話に日向は次第に言葉を失っていく。

信じる信じないの前に、千羅の話を受け入れる事で精一杯だった。

今まで知らなかった事だ、頭の中でどう整理していいか分からない。

確かに日向の力に気付いた時、周りはそれはそれは驚いたものだった。

結局はどこか雑技団に所属していたのだろうという話にまとまったが、後で長と二人で話した時にそんな軽いものではない事を知らされた。

長は日向が何の仕掛けもなしに炎を出せる事を知ると彼を呼び二人の時に話をした。

決してその秘密を話してはいけないと、あくまで仕掛けあってこその物と通すようにと、真剣な顔で話した。

その時に日向は悟ったのだ、自分は異質な者であるということを。