当然のように疑問を返してくる。

やはり芝居のようには思えない、本当に日向には知識がないのだろうと千羅は思った。

しかしこれが芝居ならばかなり警戒しなければいけないと自分の中で強く構える。

まだ彼を正面から信用する事など出来ないのだ。

「契約をしたからな。詳しくは自分の精霊に聞けばいい。」

「分かった。」

日向はちらりと祷を見て頷く。

そして目を伏せて少し考えたかと思うと、日向は勢いよく顔を上げ千羅に強い眼差しを送った。

「続き。御劔って何なのか教えてほしい。どうして僕が炎神って分かったのかも教えてくれませんか。」

「それは簡単だ。日向は五大皇力を知っているか?」

千羅の言葉に日向は眉をひそめて首を横に振る。

五大皇力とは、地、水、火、風、光を指し、その五つの力は御劔の中でも特別な存在だと千羅は話を続けた。

力を持つ者同士惹かれあい、お互いにそれが分かるという。

世界の核を担う者、それが五大皇力の力なのだ。

日向が封印を解いたリュナ·ウィルサは風神であり、同じように封印されている光の神も解放してほしい。