鈍い音が時間を止めた。
「は…。」
音にならない声が吐息となって漏れる。
大きく見開いた彼女の瞳に映っていたのは鈍い光を保った剣先、そしてその向こうには愛しい人の背中があった。
両耳を塞いでいた手は震えながら重力に従って離れてゆく。
「造作もない。」
嘲笑うかのように吐き捨てられた言葉と共に、持ち主から剣は離れていった。
カルサを刺したことでその役目を果たしたのか、ヴィアルアイは剣の柄を離したのだ。
それと同時に剣で突き貫かれた身体がリュナの方へと倒れてきた。
「カル…サ…。」
両手を広げ受けとめようとリュナは近寄った。
しかしこのままでは彼女の心臓がカルサを突き貫けた剣先に刺されてしまう。
「だ…駄目だ、リュナ!!」
サルスの制止の声はリュナには届かない。
まるで剣先を受け入れるようにそれを待つリュナの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。
「は…。」
音にならない声が吐息となって漏れる。
大きく見開いた彼女の瞳に映っていたのは鈍い光を保った剣先、そしてその向こうには愛しい人の背中があった。
両耳を塞いでいた手は震えながら重力に従って離れてゆく。
「造作もない。」
嘲笑うかのように吐き捨てられた言葉と共に、持ち主から剣は離れていった。
カルサを刺したことでその役目を果たしたのか、ヴィアルアイは剣の柄を離したのだ。
それと同時に剣で突き貫かれた身体がリュナの方へと倒れてきた。
「カル…サ…。」
両手を広げ受けとめようとリュナは近寄った。
しかしこのままでは彼女の心臓がカルサを突き貫けた剣先に刺されてしまう。
「だ…駄目だ、リュナ!!」
サルスの制止の声はリュナには届かない。
まるで剣先を受け入れるようにそれを待つリュナの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。