カルサの反応値は高く、ヴィアルアイの動きに気付き炎の波を避ける。

避けた炎はそのまま突き進み、さっきまでカルサが座っていた椅子が一瞬にして焼かれてしまった。

その瞬間的な出来事に誰もが驚きを隠せない。

「椅子が!一瞬にして…。」

サルスたちが椅子のなれの果ての姿に気を取られている間に、ヴィアルアイとカルサの戦闘は始まっていた。

鳴り響く剣と剣の交わる音は誰も寄せ付ける事ができない。

余裕の笑みのヴィアルアイとは正反対にカルサの表情は険しく、だんだんと追い込まれていった。

「どうした!お前らしくもない!せこい手をして、それで隠れていたつもりか!」

「違う!」

「この小国に埋もれ、それごときで私の目を欺けると思った!!」

「違う、俺は!!」

激しい感情と剣のぶつかり合いに誰もが動くことが出来なかった。

リュナを守る兵士だけは、激しい戦闘に巻き込まれないように必死に動いている。

しかし離れろと言われてもどこに向かえばいいのか分からなかった。