カルサが足を踏み出したのを見てリュナも同じ様についていった。

籠の中には手のひらサイズの風玉がいくつかあり、その中の一つを取り出す。

「悪くはないな。」

呟かれた言葉にリュナはとりあえず胸を撫で下ろした。

しかし次に来るであろう言葉に備えて気持ちを引き締める。

「だが斑がある。これでは使い手にかなり負担がかかるぞ。」

「負担…。」

「この玉を発動させると必然的に使い手の体力を奪ってしまう。未熟な風玉だとさらに大きな負荷が使い手にかかるということだ。」

カルサは手にしていた風玉をリュナの方に差し出した。

「申し訳ございません。」

呆然としながら風玉を受け取る。

悔やむというよりは、気付かされたといった表情だった。

カルサにはリュナの考えていることが分かっているらしい。

どうやらそこまで考えて造っていなかったようだ。

ただ造るだけでは駄目なのだと分かったリュナは風玉を握りしめてカルサの方を見つめた。

「造り直します。」