「いえ、風が変わった気がして…。」
「風が?」
不安げな表情を浮かべリュナが頷く。
「そういえば、ナータックはどうした?」
サルスの言葉に全員の動きが止まった。
「そういや遅いな。」
あれからどのくらい経ったか、出ていったきり戻りが遅いナータックを案じ始める。
なかなか聖が捕まらないのだろうか、そう考えその内戻ってくるだろうと結論づけようとした瞬間。
まるで地面ごと割けてしまいそうなくらい大きな雷が落ちた音が響いた。
「きゃああああ!!」
女官たちの悲鳴があがる。
余韻も残すほどの大きな音に全員が宙を眺めたまま言葉を失っていた。
「リュナ様、大丈夫ですか?」
「ええ、でもすごい音…どこかに落ちたのかしら?」
「いや、それだけじゃない。」
落ちたのには違いないが、それ以外の音が混じっていたことにカルサは気付いていた。
雷が落ちる音と似たような音、それはおそらく爆発音。
「カルサ…今の。」
「爆発音が混ざっていた。」
案の定、貴未も気が付いていた。
緊張が走り全員の顔が厳しくなる。
現場に向かおうと貴未が走りだした時、負傷した兵士が王座の間に辿り着いた。
「風が?」
不安げな表情を浮かべリュナが頷く。
「そういえば、ナータックはどうした?」
サルスの言葉に全員の動きが止まった。
「そういや遅いな。」
あれからどのくらい経ったか、出ていったきり戻りが遅いナータックを案じ始める。
なかなか聖が捕まらないのだろうか、そう考えその内戻ってくるだろうと結論づけようとした瞬間。
まるで地面ごと割けてしまいそうなくらい大きな雷が落ちた音が響いた。
「きゃああああ!!」
女官たちの悲鳴があがる。
余韻も残すほどの大きな音に全員が宙を眺めたまま言葉を失っていた。
「リュナ様、大丈夫ですか?」
「ええ、でもすごい音…どこかに落ちたのかしら?」
「いや、それだけじゃない。」
落ちたのには違いないが、それ以外の音が混じっていたことにカルサは気付いていた。
雷が落ちる音と似たような音、それはおそらく爆発音。
「カルサ…今の。」
「爆発音が混ざっていた。」
案の定、貴未も気が付いていた。
緊張が走り全員の顔が厳しくなる。
現場に向かおうと貴未が走りだした時、負傷した兵士が王座の間に辿り着いた。