タオルを頭に巻いて気合いの声を出すと机の上に広がったままの地図を見た。

自分で付けた印が不穏な空気を醸し出している。

「その役目、私が引き受けます。」

そう名乗りをあげたのはナータックだった。

彼以外その理由が分からずに不思議そうな顔をしている。

「貴未には調査を続けてもらうことと、これらの詳しい状況を聞いた方がいいのではないのかと思います。」

ナータックの視線は地図に向けられた。

印だけでは分からない現状を把握しておいた方がいいと言っているのだ。

「分かった。ナータックは聖のところに、貴未は詳しい報告をしてくれ。」

カルサの言葉に一礼をしてナータックはサルスの方を見た。

彼が頷いたのを確認するとナータックは去るタイミングを逃し近くに控えていたタルッシュに声をかける。

「一緒に行きましょう。」

「は、はい!」

慌てて背筋を伸ばしタルッシュは返事をした。

「ありがとうございます、ナータックさん!」

貴未が駆け寄りナータックに声をかけた。