「どうか無事に。」

また帰ってこれますように。

手を組んで祈りを捧げた。

玉座の間の前でタルッシュは立ち止まる。

フレイクの言葉どおりカルサはここでサルスを従えて話し合いを行っていた。

高貴な衣裳をまとっていなくてもその場にいるだけでカルサには他人に与える威圧感がある。

次々と来る人物に対応していく、カルサの決断にサルスがフォローして無駄なく事が運ぶ。

「失礼します!特殊部隊員、タルッシュです。」

「タルッシュか、ご苦労だった。どうだ?」

「はっ!」

タルッシュは大きな声で返事をし数歩近付いて報告をし始めた。

直轄部隊所属なだけあってカルサも少し表情がゆるむ。

改めて思うが国王と直に言葉を交わせる場所に自分がいること、その事実に身震いがした。

誇らしいことだが重責でもある。

常日頃からもっと精進しなければと自分を追い込むことも少なくなかった。

それでもだ。