本当にもう山のようにあった書類全てに目を通したらしい。

扉に向かう途中で上着を羽織る、ただそれだけでも見惚れてしまう優雅さに感心しながらナータックは尋ねた。

「行かれますか?」

占者殿のところへ、そう含んだナータックの言葉にカルサは短く答える。

「ああ。」

行ってらっしゃいませ、その声を背に受けてカルサは部屋を後にした。