二人だけになった部屋は雨の音しか聞こえない。

「無茶なことを。」

叱るような口調で吐き出された言葉に反応したのか、リュナの眉が動きを見せた。

そしてゆっくりと重たい瞼を開けて意識を取り戻す。

視線を横に向けるとカルサがいる、そんなことが最初から分かっていたようにリュナは微笑んだ。

「…陛下。申し訳ございません。」

その言葉にため息を吐くとカルサは静かに首を横に振る。

リュナが起こした行動の意味をなんとなくだがカルサは勘付いていたのだ。

「この嵐は人為的なものではありません。風が教えてくれました。」

「そうか。」

カルサが示唆していたことを察し、リュナは自分の出来る方法で調べてくれていたのだ。

この嵐が仕組まれたものであったら、それはカルサの中にある予想の一つで大きな意味合いも持つ。

「しかし…自然現象という訳でも無いようです。」

リュナの言葉に目を細めて疑問符を訴える。

「何かのきっかけで大気が揺らぎ、そこから巻き起こった…混乱かと。」