役に立つと与えてくれた首飾りはさっそく力を貸してくれた。

それには感謝してもしきれない程、リュナの心も救ってくれたのだ。

少しでもこの国の大事に手を貸せたことを満足に思っても許されるだろうか。

「リュナ様!!」

遠退いていく意識の中で名を呼ばれた気がした。

近付いてくる足音は水しぶきをつれて勢い良くリュナの身体を抱き抱えて移動し始める。

「急いでお湯の支度を!」

耳元で叫ぶ声も少しずつ聞こえなくなっていく。

また、怒られてしまうのだろう。

心の中で謝りながらリュナは静かに意識を閉ざしていった。




リュナが倒れたという報せはすぐにカルサへ渡った。

しかし会議や災害の対応に追われ、なかなかリュナの部屋に向かうことは出来ない。

なんとか目処をつけ、僅かな時間を空けてナータックはカルサを連れ出しリュナの部屋へと向かった。

報せが入ってからかなり時間が経っている。

リュナの部屋の扉を鳴らしてナータックは来客を知らせた。