暫くすると外はもう、嵐だった。

雨が降り続けて数日、外に居ても気にならないくらいの小雨から今では大雨になっている。

風の勢いが加わり窓をつたう雨は勢いを増していく。

それだけで外の様子が少しなりとも分かるような気がした。

自室の窓辺からしばらくその様子を見ていたかと思うと、リュナはクローゼットからマントを取出し部屋をあとにする。

廊下に出ても雨の音が身体を包むようだ。

「リュナ様？どちらに行かれるんですか？」

マントを羽織りながら歩くリュナを見かけた女官が不思議に思い問いかける。

リュナの傍にレプリカがいない、そして何よりそのマントの存在は今から外に出ると言っているようなものだった。

こんな嵐の日に外に出るなんて任務でもない限り有り得ない。

現に今のリュナの格好は出動をかけられたような姿ではなかったのだ。

動きやすそうとはいえドレスはドレス、とても出動する準備が整っているようには見えない。

様々な疑問が浮かび、リュナが外に出ることへの不信感が女官にあった。

何となく嫌な予感がする。