思い過ごしか自発的か、はたまた誰かのシグナルか。

おそらくは報せと感じていてもそれは決めかねている事だった。

しかし一連の流れから考えると簡単に無視することはできない。

「何かの予兆でしょうか。」

「分からない。ただの頭痛なのかもしれないしな。」

瑛琳の言葉にカルサは首を振った。

しかし普段から表だって出さない警戒心に側近も気持ちを引き締めずにはいられない。

本当に分からないのだろうか、カルサがこんなに強く反応を見せるなんて珍しいことなのに。

「注意しておきます。…風が出てきましたね。」

瑛琳の声に顔を上げると、風に叩きつけられて窓が揺れた。

収まるどころかどんどん酷くなっていくのかと、そんな不安が駆け抜ける。

頭に響く警戒音もおさまることはない、荒れていく天候と比例して強くなっていくようだ。

「関係ないといいが…。」

カルサの声もかき消してしまう程の嵐になってきた。