「…ナルの占いには何と出ていた?」

「雨が止む時期は分からないと。」

「そうか…。」

瑛琳の報告にため息混じりの納得の声を吐いた。

そしてこめかみを押さえてまた考えこむ。

昨夜から変な頭痛がする、ろくに休めていないからだと思っていたがそうでないのかもしれない。

これはきっと報せだ。

「皇子?」

瑛琳がカルサの異変に気付いて声をかけた。

こめかみを押さえて強く目を閉じている姿は明らかに様子がおかしい。

「具合でも…。」

「いや、大丈夫だ。」

そう遮って目を開ける。

カルサの頭の奥で鳴り響く警戒音はなんだろう。

何かが起ころうとしているのだろうか?それとも起きている?

「嫌な予感がする。」

警戒音が頭から離れない。

何をしても消える気がしないのだ。

カルサ自身ここまで心を乱されるのは初めてだった。