「これより順に担当を決める。意義ある場合は申し出てくれ、対処する。」

カルサはこの言葉を開始として次々に役割をあて今後の方針を定めていった。

意義を申し出るものはなく、むしろ決められなかった方向性を作ってもらった安心感と共に自分の役割を待っているようだった。

任務を確認した者から席を立ち、足早に部屋を出ていく。

自分のやるべきことを見付けたら動きは速くなった。

ひとり、またひとりと今からすべきことを頭で考えつつ会議室を後にしていく。

「老大臣。避難民の担当に命ずる。私に判断を仰がず独断を許す、思うように働いてくれ。」

「畏まりました。」

特に気合を入れる訳でもなく、通常の命令と何ら変わらない様子で受けて頭を下げた。

「大広間を開放します。その後は仰せのとおり、思うように致しますので。」

「好きにしろ。民は頼んだ。」

カルサの言葉にハワードは一瞬目を大きくしたが、すぐに目を細めてまた一礼をした。

堂々とした姿勢で部屋を去っていく背中をカルサは物言わず見つめる。

そしてハワードが扉を閉めたのを確認すると机の上に広げられたままの地図を眺めた。