総括しなければどうにもならない。

見極める為にもカルサはこの場にいる人物の顔を順番に見ていく、その目は真剣だった。

「陛下、ご意見をお聞かせて願いたい。」

一人の年配大臣が落ち着いた口調で物申した。

大臣の中でも強い発言力を持つハワード、カルサに強い物言いも出来る老大臣が口を開けば自然と周りは口を閉じる。

長い間口も開かずに聞きに徹していたカルサに発言を求めるのはハワードか秘書官であるサルスくらいなものだった。

口を開け、この場を収めて道筋を作れとハワードが目で訴えている。

カルサが彼に視線をあわせ資料を机の上に置くと、一同の注目は一気にカルサに集まった。

「西部のラクス、キーク、ダヤマ、ここはすぐにでも避難した方がいい。五番隊に出動命令を出し避難誘導と必要ならば救助にあたれ。」

「はっ。五番隊長ウーリ、隊員を率いてすぐに出動準備にかかれ。」

カルサの言葉を受けて軍隊の総指揮官を務める大臣がその場にいた五番隊長に命を下した。

その声を受け敬礼と共に返事をして立ち上がる。

「はっ!」

サルスは外に出ようとするウーリに駆け寄って備品の説明をしながら共に部屋の外に出ていった。