カルサは頭を下げ答えた。

それにリュナも続く。

立ち上がると二人は部屋の外で待機していたラファルを連れて宮殿を後にした。

「綺麗な場所だったな。」

名残惜しそうに辺りの景色を見ながらリュナは歩いていく。

時にラファルとはしゃぎ、カルサに話しかけた。

「シードゥルサとまた違った雰囲気は新鮮だったね、カルサ。」

「…新鮮、か。」

そう呟いて歩き続ける。

暫く歩いた後、カルサは思い出したかのようにリュナに語りだした。

もう宮殿が一望できるほどの距離が出来ている。

「太古の因縁、くだらない争いがあったといったよな。」

「え…?…ええ。」

唐突な話に戸惑いながらも、リュナは相づちをうつ。

カルサの表情が冷たくなっていくのが分かり、リュナは不安になった。

何がくるのだろう、リュナの中に緊張が走る。

「元凶になった人物は神官の一人、玲蘭華(りょうらんか)という女性だった。そう話したな。」