「そう、帰ってしまうのね。淋しくなるわ。」

残念そうに微笑む守麗王はゆっくりと玉座から立ち上がった。

「お世話になりました。」

リュナの言葉にあわせてカルサも頭を下げる。

王の傍には沙更陣と、そして後から現れたジンロが位置していた。

二人とも優しい表情でカルサとリュナを見ている。

リュナの服の中にはジンロから貰った首飾りが提げてあるのを彼は気付いていた。

「ここは貴方達の帰る場所。いつでも戻ってきなさい、部屋もあのままにしておきます。」

「ありがとうございます、守麗王様。」

再びリュナの言葉にあわせてカルサは頷いた。

片膝つき、俯いたまま誰とも目を合わせようとはしない。

その様子に何となく違和感を覚えるもリュナは気に止めない様子で守麗王に微笑んだ。

目の前にいる彼女は美しい。

その優しく大きく包んでくれそうな雰囲気に心が温かくなるようだ。

「気を付けて帰りなさい。カルサ・トルナス、リュナ・ウィルサ。」

「は。有難う御座います。」