完全に身を任せているラファルの様子は二人の間の信頼関係を表しているようだった。

「太古の国からの俺の友人だ。最後に見た時はすごく小さかったのにな。こいつ、聖獣なんだ。」

そう言ってリュナを見上げる表現はどこか寂しそうで彼の気持ちの陰りを感じる。

ここに来てからはずっと過去と向き合い続けているのだ、それこそ大切な友人との再会もそこにある。

「聖なる黄金獣なのね…綺麗。」

リュナも同じように屈み、そっと手をラファルに近付けた。

しかし触れられない。

そんなリュナをカルサは目で触るように促した。

後押しを受けて少し躊躇しながらもリュナはラファルに触れる。

ラファルは身体をリュナに預け、じっとその手を受け入れた。

触れるだけで手に馴染む毛並み、その気持ちの良さに思わずリュナは笑顔になった。

「ふわふわ…。」

カルサの方を見ると彼も満足そうに笑っている。

一気に気持ちが上がったリュナは目を輝かせてもう一度ラファルを撫でた。

「かっこいいだろ。」