リュナは頷き、手の中の首飾りを握りしめ何度も頷いた。

押さえていた涙が溢れだす。

自分の弱さや不安を分かって救ってくれた、ふいに緩んだ気持ちがジンロに背中を押してくれと震えてしまう。

「力が弱いのが不安でした…。ジンロ様、私は本当に風神なんでしょうか?」

切実な表情でジンロに答えを求める。

力が弱いなんて戦力になることを目指していたリュナの中では有り得なかった。

もしも自分が風神でなかったらカルサの傍にはいられなくなる。

どうかそれだけは否定して欲しい。

「リュナ、君は間違いなく風神だ。君の力には先代の…環明の力を感じる。」

「たまきあけ…?」

聞き慣れない名前にリュナは不思議そうに見上げた。

ジンロは頷き、リュナの頭を優しく撫でる。

「君と同じように強い心を持った優しい女性だった。懐かしい。」

きっと新たな思い出が甦ったのだろう、リュナの向こうに昔を見ているようだった。

ジンロは意識も目も現実に戻し、改めてリュナを見つめる。