「持っていけ。カルサと共に生きる為に。」

優しく背中を押してくれるような、そんな温かい言葉にリュナの心は震える。

渡されたばかりの手の中におさまった首飾りを見つめて思った。

ジンロからの想い。

リュナは優しさで心の中が満たされていくのを感じた。

「ジンロ様、ありがとうございます。」

まだ部屋の中で眠るカルサに思いを馳せる。

応援をしてくれる人たちが居る、その幸せな事実にリュナは涙がでそうになった。

でも、曇ってしまうその表情に隠しきれない不安が出てしまう。

「…直接、言われた訳ではないんです。」

リュナの呟きにジンロは目を細めて反応した。

「力が弱いって…でも何となくですけど、態度とか指示される内容に引っ掛かっていて。」

笑って見せてもどこか寂しげな姿にジンロの面持ちも曇りがかっている。

リュナの頭の中では風玉造りを指示された場面が思い出されていた。

先の自分への蓄えにもなる、そう言われたことがずっと気になっていたのだ。